キャッシング審査と保険証の意外な関係から日本の医療保険制度について考えてみる

あなたの保険証は?

いきなりですが、キャッシングの審査では何の保険証を使用しているかも問題になることがあります。

一番良いのは?

共済保険に加入している人たちです。
国と地方の公務員、それに私立学校職員などのための保険です。
その理由は、倒産しない勤務先であること、多分簡単には転職しないだろうという観測です。
最大の理由は倒産しないことであり、働いている限り収入が途切れないことでしょう。
収入面から見ても、安定感は大きいです。

勤め先でランク付け

次にいいのは組合保険証。いわゆる大企業に勤めていることの証明書です。
しかも上場企業であれば、文句なしです。
こちらも倒産リスクは低いでしょうし、大企業の正社員であれば簡単には離職しないであろうと推測されます。
大企業の正社員の給料ならば毎月の返済も可能なはず、というわけで高い保証があることになります。

中小企業の社員は社会保険証

公務員、大企業と来たら、その次に来るのは中小企業の正社員などが使っている社会保険証です。
多くの人が社会保険証を持っているのではないでしょうか。
社会保険証であれば、審査の保証は大きい方です。
以上の保険証であれば、大手消費者金融のSMBCモビットでは、在籍確認なしで審査が行われます。
必ず身分証明書で提出してください。

そして、国民保険証

自営業の方を含むものです。
社会保険証だとしても、扶養の方は分類的にはここに入るでしょう。
パート主婦やアルバイト学生などは、自分の収入ですが、扶養の身分です。
個人事業主などは国民保険証ですが、これがダメというのではなくも審査の属性の分類では、この位置になってしまいます。

世の中には、保険証を所持していない方もいます。
大手消費者金融などでは直接問われることはないのですが、中小消費者金融などでは、あなたの保険証のコビーを提出してくださいと言われることがあります。

保険証はありませーん

では審査に通りませんよ。

それぞれの保険加入者の割合は?

キャッシングの話からはちょっと逸れますが、健康保険の加入者の割合を調べたので、わかりやすいよう表にしてみました。

健康保険の加入者数比較 厚生労働省調べ 平成27年3月末時点

医療保険制度 加入者数 比率
共済組合(国・地方の公務員と私立学校職員など) 約900万人 約8.2%
組合管掌健康保険(大企業の社員が加入) 約2,900万人 約26.4%
全国健康保険協会管掌健康保険(中小企業の社会保険) 約3,600万人 約32.7%
国民健康保険 約3,600万人 約32.7%
合計 約1億1,000万人

厚生労働省の資料「日本の保険医療制度について」より
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000172084.pdf

自営業や個人事業主が加入する国民健康保険の約33%には、公務員や大企業、中小企業を退職した人の分が含まれています。
つまり、国民健康保険の加入者は、元・公務員や元・会社員といった退職者・高齢者の医療まで負担しているということです。
地方に行けば行くほど国民健康保険の保険料がムチャクチャ高くて大変なのもこの数字を見るとうなずけますね。

ちなみに、後期高齢者医療制度の加入者数はこちらです。

後期高齢者医療制度 約1,600万人

後期高齢者医療制度は、75歳(寝たきり等の場合は65歳)以上の方が加入する独立した医療制度です。
75歳の誕生日を迎えると、それまで加入していた国民健康保険や被用者保険(健康保険や共済組合等)から後期高齢者医療制度に移る仕組みです。